第5回 リビングニーズ特約は受けるべき?

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第5回 リビングニーズ特約は受けるべき?

リビングニーズ特約とは、原因にかかわらず余命6か月以内と判断された場合に、死亡保険金の一部または全部(上限3,000万円)を生前に受け取ることができる特約です。この特約の保険料は必要ありません。特約保険料がないということで、リビングニーズ特約をつけてる方も多いことだと思います。

この特約は、余命6ヶ月と診断された方が生存中に悔いのない生き方をするために保険金を受取る。或いは、先進医療に高額の治療費が必要になるなどの為に生まれてきたものです。この目的に沿って保険金を必要とする場合には、確かに便利な特約といえると思います。

しかし、税金面だけを考えると、必ずしも良いとは言えないケースがあります。

(1)リビング・ニーズ特約による生前給付金・特定疾病保険金の取り扱い

リビング・ニーズ特約により支払われる生前給付金は、死亡保険金の前払い的な正確のものですが、死亡を原因とする支払ではなく、重度の疾病に起因して支払われる保険金ということから、「疾病により重度障害の状態になったことなどにより支払いを受けるもの」(所得税法基本通達9−21)として、被保険者が受取る保険金は非課税所得の扱いになります。ただし、生前給付金の支払を受けた後にその受取人である被保険者が死亡した場合には、未使用の生存給付金は本来の相続財産として相続税の課税対象となります。

つまり、仮に3,000万の死亡保険に加入しており、リビング・ニーズ特約によって3,000万の生存給付金を受取った場合、その3,000万には所得税は課税されてきません。しかし、その後3,000万を使わずに亡くなってしまったときには、3,000万は相続財産として相続財産の課税対象となるということです。

(2)相続税における生命保険金の非課税の取扱い

先程のケースにおいて、もしリビングニーズ特約を使わないままに被保険者が亡くなってしまった場合、遺族が受取る死亡保険金については、相続税の計算において生命保険金の非課税の取り扱い(500万円×法定相続人)を受けることが出来ます。

つまり、法定相続人が3人いた場合には、死亡保険金3,000万円−(500万×3人)=1,500万円が相続税の対象として計算されることになるのです。

(3)リビング・ニーズ特約で保険金を受取るべき?

以上のことから、相続税が課税されるほどの財産が無い場合には、リビング・ニーズ特約で受取っても、何もせずに死亡保険金で受取っても、いずれの場合も税金は発生してこないので同じですが、相続税が課税されてくる場合には、リビング・ニーズ特約によって生存保険金を受取ったほうが余分な税金を納めないといけないケースがあります

相続税が課税されるだけの相続財産がある場合で、相続人全員の2人が死亡保険金受取人となっていることを前提に、具体例をもとに見てみましょう。
1.リビング・ニーズ特約で保険金3,000万円の全額を受取った場合
被保険者が死亡した時の残額が相続税の対象
2.リビング・ニーズ特約で保険金3,000万円のうち、1,000万円を受取った場合
被保険者が死亡した時の1,000万の残額と、死亡保険金1,000万(2,000万−500万×2人)が相続税の対象
3.リビング・ニーズ特約で保険金3,000万円のうち、2,500万円を受取った場合
被保険者が死亡した時の2,500万の残額が相続税の対象。(死亡保険金500万については、500万×2人以内なので相続税はかかってこない)
1においては、死亡保険金に対する非課税の取り扱い(500万円×2人)を受けることができないので、その分相続税を多く支払うことになります。
2においては、死亡保険金の非課税(500万×2人)の全てを受けることができるので、無駄がありません。
3においては、死亡保険金の非課税のうち、500万(500万×1人分)部分を受けることができていないので、その分相続税を多く支払うことになります。

つまり、リビング・ニーズ特約で生存保険金を受取っても、その大半を使うことなく亡くなってしまう場合や、死亡保険金の非課税の取り扱いを使いきれない場合には、相続税を多く納めないといけない結果となるのです。

ですから、相続税がかかってくる場合には、リビング・ニーズ特約によって生存保険金を受取る際に、生存中にどのようなことに保険金を使用するのかを考えて、亡くなった場合にも死亡保険金の非課税の取り扱いを限度額まで受けられるようにしておくことが大切です。